日本人が慣れ親しんだゴジラのシルエットから離れ過ぎることなく、今日的なリアリティを盛り込んだハリウッドゴジラ。ゴジラ本来の存在感を持ちつつ、これまでの映像技術では表現できなかった微妙な動きが加味され、全く新しいこれまでで最大のゴジラ像をフルＣＧで作り上げた。

監督は新鋭のギャレス・エドワーズ。長編デビュー作『モンスターズ／地球外生命体』の成功によってハリウッドから注目され、長編デビューから2作目にして超大作『GODZILLA』の監督に大抜擢された。幼少期よりゴジラに注いできた深い愛は、劇中、演出の随所に散りばめられ、目の肥えた日本のゴジラファンをも唸らせるほどだ。また、監督が得意とする暗闇、煙幕を武器にしたハラハラドキドキ演出が、モンスター映画の醍醐味に加味されている。

ゴジラに対峙するキャスト陣にはハリウッド有数の実力派が集結した。主演に『キック・アス』の若手実力派、アーロン・テイラー＝ジョンソン。また、日本を代表する名優・渡辺謙が1954年の第一作『ゴジラ』の精神を受け継ぐ科学者役で出演。さらにエリザベス・オルセン、ジュリエット・ビノシュ、サリー・ホーキンス、デヴィッド・ストラザーン、ブライアン・クランストンらが感動のドラマをつむぐ。

圧倒的に大きく強く怖いゴジラ＝NEWゴジラを表現するために、ゴジラ映画として初めて3D公開が採用された。飛び出す興奮、臨場感あふれる奥行き、重量感ある動きに3D映像は最適。目の前のゴジラに3Dで咆哮される恐ろしさが、本作の見所のひとつになっている。

この映画は、「現代にゴジラが現れたら?」というシュミレーション映画としても楽しめる。徹底的にシュミュレーションを重ね、『ショーシャンクの空に』『グリーンマイル』のハリウッドきっての名脚本家フランク・ダラボンも交えた脚本家チームがストーリーを練り上げた。それはもちろん、怪獣映画の“ドラマ”ではなく、主人公が人間の繊細な家族のドラマである。とてつもなく大きな脅威に直面したときに人間が見せる勇気と、互いの違いを乗り越えて団結していく姿がパワフルなストーリーの中で描かれていく。