シネマスクープ
シネマスクープ
『悼む人』
ベストセラー作家・天童荒太の 直木賞受賞作
『悼む人』を堤 幸彦が映画化
人間の普遍的な「生」と「死」と「愛」を描く
天童荒太が7年の歳月を費やし、魂を振り絞るように書き上げ、2008年第140回直木賞を受賞し、70万部を超えるベストセラーとなった「悼む人」(文藝春秋刊)が堤幸彦の手により映画化。「生」と「死」と「愛」。人間の根源的な営みに真っすぐ向き合った作品を、堤 幸彦は「これがデビュー作」という強い思いで挑んだ。エンターテインメント作品を多く生み出す一方で、近年、『MY HOUSE』『くちづけ』『Kesennuma,Voices.』 シリーズなど現代日本の問題を取り上げた作品も撮っている堤の現時点での到達点が『悼む人』である。笑いやトリッキーな演出は抑制し、登場人物の繊細な情感や、移り変わる日本の風景を静かに映し出す。出会う人たちの「死生観」のリトマス試験紙のような静人に高良健吾。夫を殺した罪に苛まれ続ける女・倖世に石田ゆり子。彼女を追いつめる夫の亡霊を井浦新、新たな命を授かる静人の妹を貫地谷しほり、生からも死からも目を背け偽悪的にふるまい続ける雑誌記者に椎名桔平。最後まで死と闘い続ける母・巡子に大竹しのぶ、ほか盤石なキャスティングが実現した。
STORY
週刊誌記者・蒔野抗太郎は、死者を「悼む」ために全国を旅しているという青年・坂築静人と出会う。蒔野は残忍な殺人や男女の愛憎がらみの記事を得意とし、日々そうした情報に触れていることから、人の善意などすでに信じることができずにいた。静人の「悼む」という行為も偽善ではないかと猜疑心を抱き、化けの皮をはいでやろうと思った蒔野は、静人の身辺を調べ始めるが……。
DATA
●監督/堤幸彦
●原作/天童荒太 ●脚本/大森寿美男
●出演/高良健吾、石田ゆり子、井浦新、貫地谷しほり、山本裕典、大竹しのぶ…ほか
2月14日(土)より
ピカデリーほか
ROADSHOW
(C)2015「悼む人」製作委員会/天童荒太
2015年2月1日日曜日
シネマスクープ 2015年2月公開のオススメ映画
●上映時間:2時間18分 ●配給: 東映 R15+